不正咬合と矯正治療
不正咬合について
不正咬合とは
不正咬合とは、歯や顎の位置が正常でなく、噛み合わせや咬み合わせが適切でない状態を指します。歯の並びや噛み合わせが不均一であるため、食事や口の動きに支障をきたすことがあります。不正咬合は遺伝的な要因や口腔習癖などによって引き起こされることがあります。また、不正咬合は見た目の美容面だけでなく、口腔内の健康にも影響を及ぼすことがあります。適切な治療を行うことで、噛み合わせのバランスを改善し、健康な歯並びを実現することができます。
不正咬合の種類
不正咬合(ふせいこうごう)の代表的なものとして、「叢生(そうせい)」「空隙歯列(くうげきしれつ)」「下顎前突(かがくぜんとつ)」「開咬(かいこう)」「過蓋咬合(かがいこうごう)」「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」などがあります。患者様の多くは、「歯並びの見た目」などを気にされますが、それ以外にも治療をおすすめする理由があります。
叢生 | 八重歯 | 開咬 |
出っ歯 | 受け口 | 過蓋咬合 |
すきっ歯 | 交叉咬合 | 切端咬合 |
不正咬合のデメリット
不正咬合のデメリットはいくつかあります。まず、噛み合わせが正しくないため、食べ物を噛む際に効率的に咬むことが難しく、消化に影響を及ぼす可能性があります。また、歯や歯茎への負担が偏ることで、歯の摩耗や歯ぐきの炎症が起きることがあります。不正咬合は見た目にも影響を及ぼし、自信や笑顔に影響を与えることがあります。さらに、不正咬合が放置されると、顎の関節に負担がかかり、顎関節症などの問題を引き起こす可能性もあります。
- 歯に汚れがたまりやすく、虫歯・歯周病のリスクが高まる
- 発音に影響が出ることがある
- 見た目がコンプレックスになることがある
- 顎の成長に影響が出ることがある
矯正治療について
矯正治療は歯並びのお悩みを解決し、美しい歯列と正しいかみ合わせを得るための治療ですが、
- 「金属の矯正装置はつけるのには抵抗がある」
- 「固定式のワイヤーを歯に付けるのはハミガキなどがしずらそうなので嫌だ」
- 「他人に気づかれるのは職業柄困る」
などの理由によって、治療に二の足をふんでいる方も少なくありません。ブラケットとワイヤーを歯に装着して、歯に弱い力をかけ続けることで、少しづつ歯を動かしていく治療方法が、昔ながらの一般的な方法ではあります。しかし、固定式を避けたい場合や、目立つと困るといったケースでは、マウスピース矯正がおすすめです。
ワイヤー矯正とマウスピース矯正
ワイヤー矯正
これまでの矯正治療ではブラケットとワイヤーを使用して、歯に力をかけて歯並びを整える方法でした。このワイヤー矯正は歴史もあり、信頼ある治療方ではありますが、矯正装置が目立つことで、矯正治療を始めることが出来ないといった方も少なくありませんでした。また、ワイヤー矯正では、固定式で自分で外せない点も抵抗があるといった方もいらっしゃいます。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも後で登場した治療法です。透明のマウスピース型の矯正装置「アライナー」を使用して歯を動かします。アライナーを歯列にはめこむと、歯を動かしたい方向に、弱い力が歯にかかるようになっており、このアライナーを、現在の歯並びから、歯並びのゴールに向けて、少しづつ形の違うものに付け替えながら歯を動かします。ワイヤー矯正のように固定式ではなく、ご自身で着脱可能なため、お食事の時やハミガキの時には外すことが出来ます。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正には以下のようなメリットがあります。これらのメリットにより、マウスピース矯正は多くの患者様に選ばれています。
- 見た目が自然
マウスピースは透明で目立たず、装着していても他人に気づかれにくいため、矯正治療中でも自信を持って笑顔を保つことができます。 - 取り外し可能
食事や歯磨きの際にマウスピースを取り外すことができるため、普段の生活が便利でストレスなく続けられます。 - 快適な装着感
カスタムメイドされたマウスピースは、歯に合った形状で作られるため、装着時の違和感が少なく、快適な状態で矯正が進められます。 - 短期間での治療
個々のケースによりますが、一般的には短期間で歯列の調整が可能です。定期的に新しいマウスピースに切り替えていくことで効果を実感しやすいです。 - 予測可能な結果
3Dシュミレーションを通じて、治療前に歯の動きや最終的な結果を確認することができるため、予測可能な治療が行えます。 - 歯の健康を守る
マウスピースは歯を守るため、歯と粘膜の摩擦を減少させ、傷つきにくいです。
マウスピース矯正の注意点
マウスピース矯正には以下のような注意点があります。これらの注意点を守ることで、効果的なマウスピース矯正が行えます。
- 着用時間の確保
マウスピースを効果的に使うためには、指示された通りの着用時間を守ることが重要です。 - 取り外し時の管理
食事や歯磨きの際に取り外す際に、マウスピースを清潔な状態で保管し、紛失や破損に気をつけてください。 - 装着感の違い
最初の数日から数週間は、マウスピースの違和感を感じることがあるかもしれません。慣れるまでの間、口腔内に違和感を感じることがありますが、徐々に軽減されます。 - 定期的な歯科診察
マウスピース矯正中でも定期的な歯科診察を受けることが大切です。歯の健康状態や矯正の進行具合を確認し、必要に応じてアドバイスを受けることができます。 - 装着の継続性
治療の成果を維持するためには、矯正装置の指示通りの継続的な着用が必要です。途中での中断や不着用は、治療の効果に影響を及ぼす可能性があります。